Moment

教採,社会科,教育全般,時事について。備忘録と頭の整理のために書いています。質問箱から書いて欲しい記事も受け付けています。https://peing.net/ja/edu_society_08

【教採④】過去問について

この記事では,教員採用試験対策における過去問の取り扱いについて書いています。

※このブログが初めての方は,必ず【教採①】の記事(【教採①】はじめに(重要) - Moment)をお読みください 。

※前回の記事:【教採③】志望先(私学含む)と併願について - Moment

 

Ⅰ 試験問題・解答を手に入れる

志望自治体を決めたら,過去問に手を付ける必要があります。高校受験や大学受験でも言われるように,まずは「自分の実力と実際の試験の難易度の差を知る」ことが重要です。ただ,いきなり併願先を含めた全ての自治体の過去問を購入する必要もなく,何らかの形で第一志望の3年分程度の試験問題・解答を手に入れれば十分だと思います。例えば,東京都であれば過去問をウェブ上で公開しているので,それでも構わないです(平成30年度東京都公立学校教員採用候補者選考(31年度採用)問題・正答・配点 | 東京都公立学校教員採用案内「東京の先生になろう」――情報公開のあるべき姿です)。

過去問(何年分か収録され、解説がついているもの)は協同出版のものが圧倒的なシェアを持っていて(こちらから調べることができます),自分も協同出版のものを利用しました。過去問の出版される時期はまちまちで,自治体や科目によっては現段階で入手できないものもあります。最終的には買うことになると思うので,早い段階で買っておくのもありかと思います。

 

Ⅱ 過去問を解く意味

もう高校受験や大学受験などで耳にタコができるくらい聞いているかと思うので,詳しくは説明しませんが,列挙すると以下の通りです。

 

①上でも述べた通り,教員採用試験のレベルと,今の自分の実力との違いを把握し,危機感を持つ(今の段階で点数が取れることはまずあり得ないので)。

自治体ごとの出題方式や傾向を掴むマークシートなのか,記述式なのか/分量は多いのか,少ないのか/どの分野が頻出なのか/問題のレベルはどうか等)

自分が現時点で足りていない部分を把握する(=どの勉強にどのくらい時間を割くか,判断する

 

個人的に一番大事だったのは,①で,自分は過去問を解いて「これはヤバい!!」と危機感を持ちました。ただ,その後自分が失敗したのは,その後「ヤバい!!参考書買ってやらなきゃ!!」とやみくもに参考書を手を出してしまった所です。もちろん,最低限の参考書は手元に置いておく必要がありますが(また別の記事で書きます),その後は落ち着いて,②・③の分析をするべきです。これらについては後から分野別に細かく見ていきます。過去問を入手したら,最優先で解くようにしましょう。

 

Ⅲ 解く,分析する

①何を解くか

第一志望の自治体の過去問で,教職教養・専門教養・一般教養・小論文,つまり筆記試験で問われるものを最低3年分解きます。1年分でも良いのですが,傾向を掴んだり,自分の実力を正確に測ったりするためには3年分は必要かと感じました。

 

②教職教養

勉強していなければ,教職教養が一番解けないはずです。あまりにも解けないからといって,泣き出したり,諦めたりする必要は全くありません!気持ちを切り替えて,どのような出題がされているかを分析していきます。自分は,東京アカデミーの教職教養の参考書を(泣きながら)買って,出題されていた内容や養護にくまなくマーカーやボールペンで印をつけていきました。別に東京アカデミーの回し者ではないのですが,この参考書はかなり詳しい記述なので,出題されている内容のうち,大体のことは書いてあります。逆に,書いてないことは他の人もできないと予想されるので,軽くノートにメモしておく程度で良いかと思います(特に東京都は近年その傾向が強い気がします)。

 

教員採用試験対策参考書 1 教職教養I(教育原理・教育史 ) 2020年度版 オープンセサミシリーズ (東京アカデミー編)

教員採用試験対策参考書 2 教職教養II(教育心理・教育法規) 2020年度版 オープンセサミシリーズ (東京アカデミー編)

 

そうすると,割と似たような所にチェックが入っていたり,出題されやすい分野があることが分かってきます。それがその自治体の傾向です。ちなみに東京都は教育法規系の出題が多いですが,他自治体に比べてまんべんなく出題しています。あまり過去問を遡りすぎると,出題傾向が変わっている可能性があるので,多くても5年くらい遡れば十分です。自分は5年分解いて,だいぶ出題の傾向や出題分野が分かってきたので,「あ”---わがんねえよぉぉぉ!!」という状況から,勉強の道筋が見えてきたように記憶しています。

学習指導要領やご当地問題,近年の教育政策の動きなどについては,後回しにして大丈夫ですし,また後日見ていこうと思うので,取りあえず今の所は放置でも構いません。

とにかく,教職教養は一番短期間で完成させやすいですし,やった分だけ成果が出やすいので,焦らずに確実に勉強していきましょう。

 

 

③専門教養

基本的に,選択問題は全て掲載されています。例えば東京都の社会科の過去問であれば,社会の「共通問題」に加えて,「地理」「日本史」「世界史」(地歴の受験区分で受験の場合は,本番では3つのうち1つを選択)/「現代社会」「倫理」「政治・経済」(公民の受験区分で受験の場合は,本番では3つのうち1つを選択),全ての過去問が載っているはずです。他の自治体も多くはそうなっています。

最初は,受験可能性のある選択問題は3年分は全て解きます。自分の場合であれば,上の東京都の社会科のうち,「日本史」「現代社会」「倫理」「政治・経済」を解いておきました。そのうち,「政治・経済」が一番安定して解けそうだったので,東京都の専門教養の選択問題は「政治・経済」にすることにしました。このようにして,自分が一番得意にできそうな選択問題の区分(同時に受験区分)をこの時点で決めて下さい。その後の専門教養の対策に大きく影響してくることになります。ただし,勉強の進度に応じて途中で変えることまでは否定しません。柔軟に対応して下さい。

間違った所などの復習の仕方などについては,今後専門教養の勉強の仕方を説明する時に一緒にみていきたいと思います。

 

④一般教養

多くの自治体は,中学校や高校で習うような各科目の内容+時事問題+ご当地問題が出題されているはずです。

合否を大きく左右することはあまり無いと思います(各自治体の配点参照)し,勉強するにしてもかなりの時間と労力が必要となって来るので,時事問題やご当地問題を除いて7割くらい安定して取れているようなら対策は必要は無いと思います。もし不安であれば,苦手分野だけ重点的に勉強しましょう。ご当地問題や時事問題も多少対策していれば大丈夫だと思います(また別の機会にみていきます)。

※私は,東京都に一般教養が無かったので,6月頃に併願の自治体のものを解きました。その時点で理科分野がまずそうだったので,出来ない問題(特に化学・物理)に関する事項について,教科書を引っ張り出したり,弟に借りるなりして,勉強するようにしました。とにかく時間はかけないようにします。

 

⑤ 小論文

取りあえず,昨年度のものを一回書いてみること!!

自分の場合は大学内に小論文を指導してくれる先生がいたので,Wordで記述し,その先生に添削してもらうようにしていました。そういった添削してくれる場があるなら絶対に利用するようにしましょう。仮に無かったとしても,例えば教員採用試験を受ける同級生やあるいは受けた先輩達に土下座してでも見てもらうべきです

小論文はかなり水物な部分があって,人によって評価が全く変わってしまいます。しかも東京都について言えは,配点が教職教養と専門教養と同じ…そのような中でも合格点をもらうためには,とにかく色々な人から意見を聞いて,自分なりの小論文スタイルを鍛えていくしかありません

小論文の書き方は今後一緒に検討していきたいと思っていますが,いくつも書いているうちにだんだんと自分の中で書くネタがストックされていくので,そういった点も視野に入れつつ,まずは恐れず一回書いてみる!!ダメ出しされても気にしない!!

 

過去問はまとめると,解く→復習する→分析する,のプロセスの繰り返しになります。今後勉強方法の紹介等を通じて,勉強への道筋をより明確にしていきたいと考えています。

 

そういうわけで,今日はここまでです。ありがとうございました。