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【教採③】志望先(私学含む)と併願について

この記事では,志望先(私学含む)を選ぶにあたっての注意事項や自治体の併願について詳しく紹介しています。

※このブログが初めての方は,必ず【教採①】の記事(【教採①】はじめに(重要) - Moment)をお読みください 。

※前回の記事:【教採②】教員採用試験を概観する - Moment

 

おそらく記事を読んでいる多くの方は,既に第一志望の自治体を決めていると思います。ただ,当然のことながら第一志望の自治体は1度しか受験できないので,「もし不合格だったらどうしよう…他の自治体も併願しておいた方が良いのかな?」という方や「私学はどうしようか…」と思っている方も多いと思います。この記事では,志望先選びや併願のやり方を中心に書いていきたいと思います。

 

Ⅰ 私学採用をどうするかを決める

あえて記事のタイトルに「志望自治体」ではなく「志望先」と書いたのは,私学の採用も視野に入れている方も多いと思ったからです。公立学校教員を志望する場合,説明会や願書提出が4~5月にあるので4月までには確実に志望自治体を決めておく必要があります(前回の記事:【教採②】教員採用試験を概観する - Momentを参照)。一方で,私学は4月ころから説明会や早速選考がはじまります。自分自身はほとんど私学の採用試験を受けていないので,細かいことは言えないのですが,スケジュールは学校によってバラバラです。就職活動はどちらかといえば一般就職の場合の進め方に近く,出来るだけ早く動くことが求められます。以下私立学校の採用活動や就職後の待遇のメリットデメリットを見ていきます。公立学校のメリット・デメリットはその裏返しということになります。興味の無い方はⅡへそのまま進んで下さい。

 

随時求人があり,希望する学校に採用されるかは別にして,「4月から仕事が無い」という不安に陥る心配が少ない。

自分自身でスケジュールを把握して就職活動に臨まなければならない。

各学校ごとで採用を行うため,採用に関する情報が非常に少ない。

学校によって校風が千差万別で,きちんと下調べをして自分に合うかどうかを確認しておく必要がある。

校風が合っていれば,長年居心地の良い環境で働き続けることができる。

 異動も少ない(あるいは無い)ので,1つの事(研究・部活動)に専念できる。

 (ただし,その学校の経営方針に校風が左右される可能性がある)

就職した際の給与は,公立学校教員に比べてかなり良い。

公立学校のように異動は無いので,毎年同じような(学力を持った)生徒が集まるので,人によっては面白さに欠ける。

 

完全に私の主観で,様々な例外は多々あると思いますが,こんな感じです。私は既に述べたように,私立学校の採用試験はほとんど受けていないので,対策について述べるのは控えようと思います。ともかく,「私学採用を視野に入れるかどうか」を早めに決める必要があります。ここで人によっていくつかの志望パターンができます。

 

①私学のみを受験する

②私学と公立学校を並行して受験する

③公立学校を第一志望とし,駄目だったら私学も検討する

 

おそらく,この記事を読んでる人の多くは②・③なのではないかと思います。さて,それでは②・③のうちどちらがBetterか,という話になりますが,結論から言えばどちらでも良いです。実際②でも私学に受かっている人はいます。ただ,自分は器用に色々なことを勉強・対策できるタイプではないので,早めに③に切り替えました(4月の段階で一次選考を受け,それがたまたま通ってた私学だけ選考を進めていきました,二次選考の結果が未だに来てません…)。「自分が器用に両方に力を入れることができるかどうか」+「自分がどのくらい公立学校採用に対して熱意を持っているか」を勘案して,自分で決めましょう。

 

Ⅱ 志望自治体を決める(併願について)

さて,私学についてどうするかを決めた所で,次に志望自治体を決めます。既に書いたように,4月までには決める必要があります。また,高校受験や大学受験と同様,志望自治体を絞った対策は早ければ早いほど良いです。といっても自治体を決める段階では,おそらくその自治体の教育の特徴やその自治体に就職するメリットなどは分からない(なんなら地理的要因以外あまり変わらない)と思うので,「地元だから」「実家があるから」程度の理由で良いと思います。面接で「それらしい」理由を言えていれば問題ありません。ただし,既に前の記事でも書いたように,地域ごとに一次試験の日程が被っている(例えば,東京・神奈川・埼玉など)ので,併願するとすれば他の地域となります。ここでは併願についてもう少し書いていきます。

 

①併願するかどうかを決める

そもそも併願するべきか否か,という話になりますが,出来るならしておいた方が良いです(ただし,へんぷく個人の主観です)。確かに複数の自治体を受けるとなるとそれだけ対策が増えることになりますが,問われる内容が全く違ってくるというわけではないので,基本的に第一志望の自治体ための勉強をしつつ,加えて他の自治体の過去問を解いて対策する,という程度で意外と事足ります(経験談)。自分の場合,「公立学校の教員になりたい!」という強い思いがあり,3自治体を受験して保険をかけておきました。「試験」という独特の環境に慣れるためにも,第一志望の自治体よりも前の日程で受けられる自治体を選ぶのが理想です。周囲には併願している(主に東京と出身地の2つ)人もいれば,していない人もいました。3自治体を受験している人は自分くらいだったかと思います。

 

②各自治体の日程を確認する

まずは,どの自治体が併願できるかを確認する必要があります。正確な情報は各自治体の説明会・ホームページで確認する必要がありますが,大体どの自治体も例年通り(例えば,7月の第〇週の日曜)に実施するはずです。こちらのページ(教員採用試験 各自治体の実施日程・内容 | 教セミ.com)から昨年度の試験日程が示されているので,確認しましょう。一次選考は違う日程でも,二次選考が重なっている場合もあります。

 

③各自治体の試験内容を確認する。

先に示したページ(教員採用試験 各自治体の実施日程・内容 | 教セミ.com)には,おおまかな各自治体の試験内容も示されています。基本的には,前回の記事(【教採②】教員採用試験を概観する - Moment)でみた,①~⑨の内容が示されているはずです。東京都の場合,一次選考が「教職教養・専門教養・論文」,二次選考が「集団討論・個人面接・実技(一部)」となっており,他の自治体でよくみられる「一般教養」が存在しません。また,自治体によっては論文が二次試験だったり,集団討論が一次試験にあったり…などまちまちです。可能であれば,東京都と近い試験を行っている(具体的には,一般教養がない)自治体をピックアップしておきましょう。ただ,正直どの自治体も似たり寄ったりなので,結局は自分が受けたいと思う所にすれば良いとは思います(笑)

 

④各自治体の説明会に参加する

 受験する自治体の目星をつけたら,その自治体の説明会に参加してください。関東圏であれば,地方の自治体でも出張して説明会を開いてくれるはずです。多くの場合,その場で願書を配ってくれます(取り寄せできる自治体もあります)。参加出来ない場合は受験は諦めた方がいいかもしれません。というのも,ただでさえ情報が手に入らない自治体を受験するのに,説明会さえ参加しなければ,手元にあまりにも情報が少ない状態で受験することになります。下手をしたら提出書類の不備で受験すら出来ない可能性もあります。また,分からないことは必ずその場で質問するようにしましょう。直前まで説明会の情報を出さない自治体もあるので,ブックマークするなりしてこまめに情報を確認しておく必要があります。

 

⑤情報を細かく確認する

自治体の説明会に参加したら(あるいは参加している最中に),しっかりと公式の情報を確認します。⑴試験日程(+合格発表の時期),⑵試験内容,⑶願書の〆切,⑷受験区分(社会科の受験であれば,社会の共通問題はあるのか,公民だけの出題か,選択問題はどうなっているのかなど),⑸TOEIC等による加点は存在するのか,⑹それぞれの試験科目の配点はどうなっているか,⑺受験会場…必要な情報を確認します(間違いやすいポイントや前年度からの変更点は丁寧に説明してくれるので,聞き逃さないように!)。特に⑷受験区分と⑹配点は重要で,自治体でバラバラだったり,計算がややこしくなっている場合があります。今後の対策を取る上でも非常に重要なので,必ず押さえておきましょう。

 

⑥志望自治体を決定

以上のプロセスを踏まえて,自分が受験する自治体を決定します。後は本番に向けて,ひたすら対策を練り,勉強・練習していくことになります。

 

今回はここまでです。ここまで読んで下さり,ありがとうございました。