【教採⑩】小論文 ⑶練習方法
この記事では,教員採用試験の小論文の練習方法を紹介しています。
※このブログが初めての方は,必ず【教採①】の記事(【教採①】はじめに(重要) - Moment)をお読みください 。
※前回の記事:【教採⑨】小論文 ⑵書き方・構成 - Moment
※はじめて小論文に取り組む方:【教採⑧】小論文 ⑴最重要ポイント - Moment
細々と教採対策の記事を書き続けて,いよいよ10本目の記事になりました。(読んでくれいてる方がいるかは怪しいのですが,)いつもありがとうございます。このようにして書いていくうちに,自分の記憶も上手い具合に整理されていくので,やはり文章を書き続けることは大事だよなあ,と感じています。
さて,前々回・前回の記事では小論文を書く上での重要ポイントや書き方・構成をみていきました。今回は,どのようにして小論文を練習すれば良いのか,どのような点に注意しながら練習を積み重ねていけばよいのか,をみていきたいと思います。
①練習量
小論文の練習で一番重要になってくるのは,練習量です。もちろん,その練習の質も重要になってきます(後程記述)が,量をこなしておくことで以下のようなメリットが生まれます。
⑴小論文の構成の感覚をつかむ
小論文試験の際には,60分や70分といった時間内に一つのまとまった文章を完成させる必要があります。これは人にもよるかと思いますが,時間としてはなかなかタイトになっています。
その際,(書き出す前のイメージを含め)どのようなペース配分・構成で書き進めるかの感覚が掴めていると,本番も焦らずに書くことができます。逆にこの感覚が無いと,最初に全体の構成のイメージする部分で手間取ったり,途中で「あれ,今時間足りているのかな?」という不安を抱えながら焦って書いたりすることにつながります。落ち着いて解くためにも,量をこなして練習しておくようにしましょう。
もし各自治体の解答用紙が手に入るなら,実際にそれに書いてみたり,Wordの設定をその書式に合わせて練習すると,本番と同じマスの使い方の練習が出来るので,効果的です。
なお前回も書いた通り,必ずしも普段から手書きで書く必要性はなく,上のようなことを意識しながら書けていれば,今の段階では十分です。
⑵方策をストックする
へんぷくが以前,小論文対策の本を読んだ際に,「方策を丸暗記して書いても,得点にはつながりにくい/非効率だ」という記述を見たことがあります。確かに丸暗記は良くないとは思うのですが,現実として当日その場で創造的な,的確かつ矛盾の無い方策が思い付くことはほぼ不可能です。
やはり普段から小論文の練習を積み重ねておき,自分が自信を持って書くことができる「方策」をストックしておく必要があります。そして本番でも問題の趣旨に合わせながら自分のストックしていた方策を書いていく,という方法を取れば,まず間違いなく合格点には達するはずです。
重要なのは,前々回の記事(【教採⑧】小論文 ⑴最重要ポイント - Moment)でも見たように,「問題に対して正確に回答する」ことができているか否かであって,採点者は正確に解答できていなければ「これは丸暗記/準備してきたものをそのまま書いただけだ」と判断するわけですが,正確に解答できていればそのような疑問を挟む余地はなくなります。
ちなみにへんぷくは,過去6年分の東京都の小論文(A問題・B問題両方)を解いています。そうすると,各問題につき方策が2つなので,2×2×6=24の方策が自分の武器になります。実際に本番でも,それらの方策を問題に沿ってアレンジしつつ書いていきました。
また他自治体では,生徒指導やいじめ等の対応に関して出題されていたので,それについても何年分か練習するようにしました。状況によっておおよそ対応の方法・順序が決まっているので,比較的書きやすいです。こちらに関しては,面接対策の「場面指導」の練習にもなりました。詳しくは後日書く予定です…
小論文のテーマは,基本的には過去問を優先する方が良いように感じますが,教員採用試験関係の対策本や『教員養成セミナー』等にも挙げられているので,そちらで練習するのも良いかと思います。
⑶面接対策にもつながる
小論文を書いていると,「自分はどういう先生でありたいのか」「自分はどういった授業をしたいのか」「自分はどういった生徒を育てたいのか」という自分が教師になるにあたって大事にしたい点が少しずつ明らかになっていきます。同時に,常にそういったことを意識しながら練習することも大切で,そこから出発して小論文の方策を考えていけるようにもなります。
上の「自分はどういった授業をしたいのか」という話は面接でもよく聞かれます。小論文を書いていくことで,直接文章にしていなくとも,そのようなイメージが自分の中に浮かび上がってきます。そのためにも,単に方策を上積みするだけでなく,「自分はどうしてこういった方策を考えたのだろうか?」という問いを発することも大切です。
また,場面指導に関する小論文の練習は,当然のことながら面接での場面指導対策になります。
何にせよ,失敗を恐れず(今の段階で完璧だったら怖いですし),小論文練習の数をこなしていくことが重要となってきます。
②他の人の目を通す
これは,主に小論文の「質」に関わる部分です。
確かに練習量をこなすことは大事なのですが,それが自己満足で終わっていては仕方なにです。まずは自分で誤字・脱字,問題に正確に答えられているか,論理の飛躍はないか,方策に実現可能性はあるか,を確認します。その上で,自分では気付かなかった点を改善し,そしてより良い小論文を仕上げるために,他の人に見てもらうようにします。
見てもらう人は,(特に生徒指導に関する場合,)出来れば元校長先生・教頭先生のような学校現場での経験が長い方に見てもらうのが良いです(自分は幸運にもそういう環境がありました)。まずは大学・身の回りでそういった場が無いか,よく調べてみましょう。
しかし必ずしもそういう環境はあるとは限らないので,身の回りにいる人,例えば同じく教員を志望する学生やサークルの人達,親等に見てもらうように頼み込んでみましょう。もちろん専門性に基づく的確なアドバイスがもらえるとは限りませんが,言葉遣いが分かりずらい場所,論理的に飛躍がある場所,誤字・脱字等は指摘してもらえるはずです。これだけでも小論文の精度は上がっていきます。
また,外部にもそういった教員採用試験対策のサークルや勉強会,セミナー等が多くあります。模試でも小論文を添削してもらえます。とにかくあらゆる機会を利用して,多少お金がかかってでも,色々な人に見てもらうことが重要です(自分で良ければ,自分も見ます!)。
初めて他の人に自分の文章を見せる時は,緊張すると思います。しかし実際に添削してもらい,そして修正を重ねていくうちに「これだけやったんだ」と,自分に対して自信を持てるようになります。この自信は本番での良いパフォーマンスにつながっていくはずです。思い切って,添削をお願いしてみましょう。
③どのくらい練習すれば良い?
正直な所,点数が明確化され,自己採点もしやすい教職教養・専門教養・一般教養に比べてこの点は難しいです。先にも少し触れたように,へんぷくは⑴東京都を過去6年分(毎年2本),⑵他自治体のものを過去2~3年分練習しました(なお東京都より後に小論文試験のある自治体も受験しているので,東京都受験の時点では他自治体の練習はもう少し少なかったはずです)。あくまで主観ではありますが,このくらい(手書き・打ち込み含めて)書き,添削(時には10回やり直しのこともありました)を重ねておけばまず小論文はクリアできると感じています。
小論文の練習では,既に見た通り,ペース配分・構成をつかんだり,方策をストックしたり,人からの意見を吸収したりすることが重要です。それぞれ自治体や受験科目,各試験内容の得意不得意によって状況は変わってくると思うので,そのあたりはこれらの重要ポイントが押さえられたかどうかを確認しながら,各自対策して欲しいと思います。
今日はここまでです。
読んでくださり,ありがとうございました。
なお,小論文の添削を下のTwitterのDMで付けています
(添削内容の正確性については担保できませんが…)
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