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【教採⑦】専門教養(社会科) ⑵使用した参考書・問題集

この記事では,主に教員採用試験の専門教養の対策でへんぷくが使用した参考書・問題集を紹介しています。

 

※このブログが初めての方は,必ず【教採①】の記事(【教採①】はじめに(重要) - Moment)をお読みください 。

※前回の記事:【教採⑥】専門教養(社会科) ⑴学習の流れ・サイクル - Moment

 

前回の記事では,専門教養の学習の流れやサイクルについてみてきました。今回の記事では,既に前回の記事でも一部紹介しましたが,へんぷくが使用した参考書・問題集を紹介していきます。おすすめ度を☆でつけながら,簡単に紹介していきます。なお,私自身は社会科の中でも特に政治経済が専門になるので,その点ご了承ください(=その他の分野に関してはあてにしないでください…)。

 

①地理

⑴『ハンドブック 地理の要点整理【改訂版】』学研教育出版

  おすすめ度:☆★★★★(4)

ハンドブック 地理の要点整理【改訂版】: いつでもどこでもチェック&マスター!

地理分野を一通り見渡すことができ,便利。フルカラーで,見やすいレイアウトになっている。持ち運びしやすい大きさなので,電車内等で読むこともできる。ただ,情報量(特に統計)としては少なく,過去問を解いている際に参照しても,情報が見当たらないことも多い。また,赤字部分が通常の赤シートでは隠れないのが残念な所。(へんぷくの場合,)地理の最低限の知識を押さえるという点では役に立った。

 

⑵『地理統計要覧』二宮書店

  おすすめ度:☆☆★★★(3)

地理統計要覧2018

500円もしないのに,情報量が非常に多く,諸々のデータを参照するのに便利。一方,参考書ではないので, レイアウトが見づらい,どこが(受験対策という意味で)重要な統計なのか分かりづらいという難点もある。

 

③『世界白地図作業帳』塔文社

 おすすめ度:☆☆★★★(3)

世界白地図作業帳

世界地理に弱かったので購入した。主要な山脈・山・川・湖については,問題形式で書き入れるページもあり,便利。また,完全な白地図のページは自分でカスタマイズして知識の整理に使えるので便利。一方,産業や人口について触れているページは相当データが古いのであてにならないかった(自分で修正して使った)。

 

②日本史・世界史

⑴『詳説 日本史B』・『詳説 世界史B』山川出版社

  おすすめ度:☆☆★★★(3)

詳説日本史B 改訂版 [日B309] 文部科学省検定済教科書 【81山川/日B309】

詳説世界史B 改訂版 [世B310]  文部科学省検定済教科書 【81山川/世B310】

前回でも紹介した通り,「日本史・世界史の山川!」と叫びながら購入した本シリーズ第一弾。別に勢いで買って失敗したというわけではなく,一通り各分野の全体像を掴むのには役に立った。しかし,特に世界史は時系列になっていない(各地域ごとに歴史をみていく=時代が行ったり来たりする)状態なので,自分のように世界史Aしか勉強したことの無い身としては,読み通すのはかなり厳しい。もう少し難易度の低い参考書を選んで勉強した方がスムーズだったかもしれないとも感じた。

 

⑵『詳説日本史 改訂版 ノート』『詳説世界史 改訂版 ノート』山川出版社

  おすすめ度:☆☆☆★★(2)

詳説日本史 改訂版 ノート: 日B309準拠

詳説世界史 改訂版 ノート: 世B310準拠

 

第2弾。過去問を解いていてもまずこのノートに書いていないことは少なかったので,あると安心ではあった。ただ情報量が多すぎて(明らかに採用試験で不要な知識も含まれている),世界史は結局何も覚えていないに等しいくらいであった(途中で勉強するのが嫌になって来る)。専門分野を極めるためならまだしも,共通問題レベルなら,他の教材を選ぶべき。

 

⑶『山川 詳説日本史図録 第7版』『山川 詳説世界史図録 第2版』山川出版社

 おすすめ度:★★★★★(5)

山川 詳説日本史図録 第7版: 日B309準拠

山川 詳説世界史図録 第2版: 世B310準拠

第3弾。教科書やノートを見ながら,適宜参照するのに使った。1000円という値段なのに,情報量が豊富で,見ていて楽しい。写真だけでなく,出来事の構造図・戦乱の関係図・家系図・地域史等々…押さえておきたいポイントをまとめてくれている部分も多く,良心的。今も日本史や世界史の勉強の際によく参照している。日本史・世界史の勉強だと,この図録が一番役に立っている。

 

③倫理

⑴『高校倫理 新訂版』実教出版

  おすすめ度:☆★★★★(4)

高校倫理 新訂版 [教番:倫理312] 文部科学省検定済教科書

高校3年生の時に使っていた教科書。山川と違って,簡潔な説明で,割と読みやすい。一応へんぷくは公民が専門ということになっているので,確実に基礎を押さえておきたいと思い,教科書の内容を自分でノートにまとめたりもした。おそらく,どの自治体も倫理に関してはほとんど教科書レベルなので,この1冊をしっかり押さえておけば,7~8割は大丈夫そう。

 

⑵『詳解倫理資料』実教出版(4)

 おすすめ度:☆★★★★

詳解倫理資料

同じく高校時代に利用していたもの。過去問やセンターの過去問を解く際に,たまに教科書に載っていない内容があったので,その時にはこちらを参照した。思想家・哲学者あるいは思想の系譜がそれぞれ1~2頁にまとめられていて,読み物としても普通に面白い。ごちゃごちゃしていないので,参照もしやすい。

 

⑶『山川 一問一答倫理』山川出版社

  おすすめ度:★★★★★(5)

山川 一問一答倫理

5月半ばくらいに,倫理分野を固めるために買った参考書。一見薄くて情報量が少なそうだが,基本的に(少なくとも採用試験に出題される)全ての事項が網羅出来ている。用語は重要度別に3段階で表示されていて,優先度が分かりやすい。倫理の場合,思想家・哲学者の概念の名称が問われる(あるいは説明する)ことが非常に多いので,その整理に役立った。正直暗記が得意なら,倫理分野はこれだけでも足りる気がする。

 

④政治・経済

⑴『詳説政治・経済ノート』山川出版社

 おすすめ度:☆☆★★★(3)

 

詳説政治・経済ノート 改訂版: 政経316準拠

最初に使った参考書。日本史・世界史の山川のノートシリーズに比べて,今度は(少なくとも教員採用試験対策をするにあたって,)情報量が少なかった。そのため,必要に応じて情報を書きこんでいった。共通問題レベルならこれでも十分と思われるが,やや分かり辛い。(自分が使っていたのは,写真より古い旧版だったので,新版で内容がリニューアルされている可能性あり)

 

⑵『大学入試センター試験過去問レビュー倫理、政治・経済 』河合塾

  おすすめ度:★★★★★(5)

大学入試センター試験過去問レビュー倫理、政治・経済 2018 (河合塾シリーズ)

★5の理由は,解説が詳しかったというより,単純にセンター試験が良問だから。様々な分野の内容が網羅されているので,弱点を見つけるには最適(マーク方式を取り入れている,東京都の対策にもなる)。「政治・経済」「倫理」「倫理,政治・経済」の3科目が収録されているが,「倫理,政治・経済」に関しては,他の2科目から問題を抽出しているだけなので,「政治・経済」「倫理」だけ解いておけば十分。

 

⑶『フォーラム 現代社会』とうほう

  おすすめ度:★★★★★(5)

フォーラム現代社会

もともと「現代社会」の補助教材の利用が予定されている教材だが,政治・経済の勉強でも十分使える。非常に細かい部分まで言及が及んでいる。過去問で問われるような内容はまず載っている。またテーマ別にまとめられたページも用意されており,政治・経済分野の理解を促す効果がある。辞書的に使うことも,読み物として利用することも可能。

(2019年度版は現在品切れしている模様)

 

⑷『畠山のスパッとわかる政治・経済爽快講義』

 『畠山のスパッととける政治・経済爽快問題集』共に,栄光

  おすすめ度:★★★★★(5)

畠山のスパッとわかる政治・経済爽快講義 改訂5版

畠山のスパッととける政治・経済爽快問題集 改訂3版

 政治・経済分野の内容をもう少し掘り下げておきたかったので,2冊セットで購入。「爽快講義」の方は,⑴のノートよりも情報量が多く,かつ分かりやすい。講義形式(タメ語?)で書かれているので読みやすい。また,各項目(大体は見開き1頁分)の冒頭にはその回の要点もあるので使いやすい。「爽快問題集」の方は,「爽快講義」に比べると情報量が減ってしまうものの,それでも十分歯ごたえがある内容となっている。ただ,いずれも共通問題対策で使うにはやや重い内容となっている。

 

以上,へんぷくが教員採用試験対策で使ってきた参考書・問題集を見てきました。そして,最後に,教員採用試験を終えて使っておけば良かった…というツールがあるのでご紹介します。

 

スタディサプリ

「よし,来年から社会の教員だけど,何の分野教えることになるか分からないから,ちゃんと一通り政治・経済分野以外を勉強しよう」と思って手を出したのがこれ。使い始めて3か月くらい経ちますが,非常に良いツールなので紹介しておきます。

 

⑴月額980円

基本的に大学受験対策のために講座は作られているのですが,プロの塾講師の講義が月額980円という破格で聞ける…(年度末までの契約で,自分が使いたい期間が過ぎて解約すれば,その分が返金される)。しかもテキストも無料でダウンロードできる。もちろん内容は分かりやすいし,面白い。それでも塾に通ったり,参考書を買ったりするよりも安い。ただ,テキストを印刷する時の料金は自分で払う必要があるので,そこだけ注意。

 

⑵レベル別の講義

日本史や世界史は「スタンダード」(25講)と「トップ&ハイレベル」(50講)に分かれている。「スタンダード」は,受験対策そのものというより,受験対策前の基本的な枠組みを捉えるための講義となっている。「トップ&ハイレベル」は有名私立や国立向けとなっていて,発展レベルの内容も取り扱われている。したがって,共通問題対策をするなら「スタンダード」で足りる。もし専門分野の対策をするなら「トップ&ハイレベル」で対応できると考えられる。

地理はレベルの区分はなく,地理24講+地誌5講という構成。政治・経済は政治と経済それぞれについて,「スタンダード」(13講/13講)と「トップ&ハイレベル」(20講/20講)に分かれている。現代社会は30講,倫理は25講。その他,センター対策や志望校別対策等もあり,発展的な学習もできるようになっている。

1講義あたりにかかる時間(へんぷくの場合)は,ノートを取る時間等を含めて60分~90分が目安。復習を含めると120分くらい。

 

⑶効率良く勉強できる

例えば,日本史の講座の場合,重要度に応じて用語のレベル分けをしてくれている。また,他の科目であっても重要な事項とそうでない事項は区別して教えてくれる(そもそもスタンダードレベルの内容は全て必須)。また,教え方は当然上手なので頭に入ってきやすい。もちろん,一度にその内容を押さえられるわけではないので,復習は必要になるが,復習するにしても,一度うまく頭に入ってきた内容は復習しやすいので,勉強の効率が大変良い。

 

こういう感じなので,今は「なぜ教員採用試験前にこのツールに気付かなかったのか?」と激しく後悔しています(笑)高校で専門にしなかった分野はどうしても自力で勉強しづらいので,こういう風に講義形式で教えてもらえると非常に助かります。

 

 

以上,最後はスタディサプリのステマになっている気がしますが,今回はここまでです。次回は小論文について書いていきたいと思います。